外来生物法について考える(外来魚が日本の固有種を滅ぼした話)
こんにちは、yo456(Follow @yo45611 )です。
今日は前から書きたかった外来魚の問題について私なりの考えを書きたいと思います。
自然や生き物を愛する人に是非読んで欲しく、一緒に考えて欲しいテーマです。
まずは、そもそも「外来生物法」って何?というところからですが、、
引用:環境省HP
https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/index.html
特定外来生物による被害がすでに生じている場合又は生じるおそれがある場合で、必要であると判断された場合は、特定外来生物の防除を行います。
この法律の目的は、特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止し、生物の多様性の確保、人の生命・身体の保護、農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、国民生活の安定向上に資することです。
そのために、問題を引き起こす海外起源の外来生物を特定外来生物として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いを規制し、特定外来生物の防除等を行うこととしています。
要するに外来生物の中で、
生態系を破壊する生物、人間の生活に害を及ぼす生物には各種防除の対策を行いますよ
といった法律になります。
この特定外来生物に指定されている生物の中で、魚種で言うと私たちも普段接する機会がありそうなのは、以下の3種かと思います。
③チャネルキャットフィッシュ(通称:アメリカナマズ)
この3種類はものすごい勢いで棲息地を拡げており、危機感を感じています。。
この法律の中では、「キャッチアンドリリース(釣れた魚をその場でリリースすること)」については禁止されていませんが、県によっては条例で特定の魚種のキャッチアンドリリースを禁止している県も多く、この法律と条例が2つが合わさると、「生きたままの運搬がNG」、「リリースが禁止」というルールになるので、端的に言うとその場で捕獲した魚を殺処分する必要が出てきます。
釣りなどをしていて、意図せずに該当の魚が釣れてしまった場合、殺すことに抵抗があると思いますし、魚の処分(埋設、焼却 等)も簡単なものではありませんので、たまったものではありませんよね。
本来は人間の都合で連れてこられた生物です。
この法律や条例は生き物からすると理不尽だと思いますし、色々な意見があると思います。。
なんとか良い落としどころはないのか?
何度も考えましたが、私自身としてはこの法律や条例は、現在の状況を見ると致し方ないという結論に至りました。
そう考えるようになったきっかけは、地元の釣り場(管理池)で、外来魚によって日本の固有種が食べつくされる事態を目の当たりにしたからです。
私自身、昔から生き物が大好きで小さいころから近所の小川や池に行って釣りや魚取りを楽しんでいました。
特に近所にあった池では、色々な生物が棲息しており、当時(今から20年ほど前)は本当に色々な生物の採取ができました。
⬛️当時取れた生物
〇フナ
〇コイ
〇クチボソ
〇モツゴ
〇タナゴ
〇エビ(手長エビ、スジエビ)
〇ハゼ(ヨシノボリなど)
〇オタマジャクシ(ウシガエル)
〇水カマキリ
もともとは上記のような魚や水中昆虫がメインに生息していた池ですが、ちょうどその頃に、ブラックバスやブルーギルが釣れるという噂が流れ始めていました。
(きっと誰かが放流したのでしょう)
当時は空前の釣りブーム。
ブラックバスを釣り上げることは子供の夢でしたし、ペットショップに行くと10センチ前後のブラックバスが1000円くらいで売っている時代でした。
近所でブラックバスが釣れるなんて、、
とわくわくしたのを思い出しますが、その3年度にとても悲しい現実に直面します。
3年ぶりに久々にその池で釣りやガサガサをしに行ったのですが、池の様子がまったく変わっていたのです。
釣り(餌はミミズ)をしても釣れるのはブルーギルやブラックバスの稚魚ばかり。
たまにフナやコイも釣れますが、大きいサイズだけ、、
⬛️3年後に取れた生物
△フナ(大きいサイズのみ)
△コイ(大きいサイズのみ)
×クチボソ
×モツゴ
×タナゴ
×エビ(手長エビ、スジエビ)
×ハゼ(ヨシノボリなど)
○オタマジャクシ(ウシガエル)
×水カマキリ
ガサガサもしてみましたが、3年前まではガサガサをすればエビや小魚などが大量に取れていたのですが、在来種は全く取れなくなっていました。
ブラックバスやブルーギルが、池にいた在来種を根こそぎ食べ尽くしてしまったのです。
※コイやフナは捕食されないサイズに成長していたものだけが生き残っていたのかと思われます。(コイは最近では在来種ではないとも言われていますが、少なくとも私が生まれた時から日本にいた魚ですので、ここでは在来種として扱います)
不思議だったのは、アメリカザリガニやウシガエル(おたまじゃくし)といった外来種は3年後も生存していたことです。
もともとブラックバスをはじめ、肉食魚ひしめくアメリカなどが原産の生き物なので、身を守る術を兼ね備えているのかもしれません。
しかし、池という閉鎖的な空間で、もともといた在来種達はブラックバスやブルーギルといった絶対的な捕食者を前に成す術なく全滅してしまったのです。
目の前で起こっていることがあまりにも衝撃的で、心が苦しかったです。
おそらく、私の地元で起こったようなショッキングな事態が全国でも起こっており、日本の在来種はかなり数を減らしているはずです。
このまま放置すれば、在来種がどんどん絶滅して行くことは避けられず、在来種を守るためには、法律や条例の制定は必要な対応でしょう。
ただ、冒頭でも話したとおり、特定外来生物に指定された生き物たちも、生きるために在来種を食べただけで、罪はありません。ただ殺処分される運命も腑に落ちません。
やはり同じように考える人がいて、命を無駄にしないためにも、ブラックバスやブルーギル、アメリカナマズが釣れたら「調理して食べる」というスタンスで、色々と試行錯誤して美味しい調理法を考えて食べている方も増えているようです。
※youtubeで検索すると、特定外来生物を捕獲して食べる動画をupしているyoutuberさんがたくさんいるので、興味がある方は是非見て下さい!
日曜日に放送されている「鉄腕!DASH」のコーナー「グリル厄介」でも、TOKIOさんが特定外来生物の捕獲~調理に奮闘する様子が放送されてますよね。
こういった人気番組でも取り上げられるくらい、身近な問題になっているのだとも言えます。
特定外来生物については法律や条例はあるものの、実際に該当の生物を捕獲した場面に遭遇した際の対応については、明記されておらず、釣った/捕獲した人の裁量に委ねられている気がします。
実際にもしその局面に遭遇して、対応に困惑してしまう人が多いのではないでしょうか?
対応として、掘り起こされないくらい深く掘って埋設する。焼却するなどと書いてありますが、どちらもそれなりの設備や捕獲場所の条件が揃わないと出来ない対応で、非現実的に思えてしまいます。
釣れたあとに調理して食べられれば一番良いですが、泥抜きも出来ないですし(生きたままの運搬が禁止のため)、釣れた環境の水質などによっては食べるのが困難なケースもあると思います。
そういった事情からか、条例に従わずに特定外来種に指定された魚を釣り上げてもこっそりリリースしてしまったり、釣り場に釣れた魚をそのまま放置されてしまったりといった問題も出ているようです。。
本当に身近なところで特定外来生物が溢れています。
ここからは私なりの考えですが、、
この問題の解決のためには、釣れた魚(特定外来生物指定)を処理する設備やルール作りが急務だと考えます。
例えばですが、外来生物法に関する予算を設けて、国や自治体など、地域ごとで該当生物を受けとる施設を作り、500円/一匹、1000円/1kgなどといった具合に買い取りを行うのはどうでしょう?
引きとった魚も無駄にするのではなく、飼料に加工するなど、命が循環されるように配慮も必要だと思います。
お金が貰え、更にそのあとの処分方法も配慮されたものであれば、ルールに従う人も多くなるはずです。
実現するにはまだまだハードルが高いのは理解していますが、真剣に向き合わなければいけない問題です。
在来種も守りたいし、外来種も無下にしたくない。
キレイごとかもしれませんが、良い方法を一緒に考えてもらえると嬉しいです。
Little things are indeed little, but to be faithful in little things is a great thing.
小さなことは本当に小さい。でも、小さなことに信念を持つのは偉大なことです。
それでは!
お問い合わせはこちらまで
メールフォーム